葛飾北斎。日本が世界に誇る浮世絵師であり、誰もが知るあの「波」の絵、冨嶽三十六景の一つである、神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)は、今もなお、様々な作品や商品へオマージュされ続けています。
その北斎は、1760年(宝暦10年)に本所割下水付近(現在の墨田区亀沢付近)で生まれ、90年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごしました。
美しい色彩や豊かな画風と画想で、国内のみならず海外でも高く評価され、ゴッホやモネなどの画家たちにも大きな影響を与えたとされています。
そんな北斎を区民の誇りとして顕彰するとともに、産業や観光へも寄与する地域活性化の拠点として、2016年に開設されたのが、すみだ北斎美術館です。
すみだ北斎美術館へのアクセス
JR両国駅、または都営地下鉄大江戸線 両国駅(江戸東京博物館前)が最寄駅となります。
JR両国駅からは、東口に出て、徒歩9分。大江戸線 両国駅A3出口より徒歩5分となります。ザ・ゲートホテル両国からは、旧安田庭園横を通り抜け、徒歩約10分ほどです。北斎通りを東に進むと、緑町公園に差し掛かり、鈍く光るアルミの壁が目を引く、モダンでスタイリッシュな建物が見えてきます。設計は妹島和世氏によるものです。
すみだ北斎美術館の観覧料
AURORA(常設展示室)
観覧料は大人400円、高校生・大学生・専門学校生・65歳以上の方は300円です。未就学児童・小学生・中学生、区内の高等学校に通う高校生、身体障害をお持ちの方は無料です(要証明書)。また、すみだ北斎美術館の半券を提示することで受けられる割引などもあります。
企画展示室
展覧会によって、料金が異なります。すみだ北斎美術館のウェブサイトにてご確認ください。
各種観覧券は、1階受付で販売しています。
AURORA(常設展示室)と企画展示室
リアルな模型にびっくり!驚きと発見が盛りだくさんのAURORA(常設展示室)
4階の常設展示室では、時代ごとの作品の実物大高精細レプリカを見ながら、北斎の生涯を辿ることができます。ここで注目してほしいのは、今にも動き出しそうなほどリアルな、北斎アトリエの再現模型です。質素な長屋での北斎と娘の蝋人形があり、84歳になっても熱心に制作に打ち込む北斎の情熱が伝わってきます。また、代表作の紹介のみならず、高精細モニターでの錦絵鑑賞ができたり、タッチパネルで北斎の技法などをクイズやゲーム感覚で学ぶことができたりと、飽きずに楽しむことができます。
貴重なコレクションにふれられる企画展示室
3階と4階には企画展示室があります。すみだ北斎美術館では、世界有数の北斎作品の収集家であるピーター・モース氏のコレクション、浮世絵研究者の楢﨑宗重博士のコレクション、そして墨田区が独自に収集し続けているコレクションを収蔵しています。
これらのコレクションを用いて、多彩なテーマに沿った展覧会が随時開かれ、北斎の魅力にさらに深くふれることができます。
展示以外にも、楽しく学べる空間
ミュージアムショップ
1階のミュージアムショップでは、北斎に関するグッズがたくさん売られています。企画展に合わせた図録やリーフレットもあります。ここでしか手に入らないものもあり、お土産にぴったりです。
MARUGEN 100(講座室)
北斎や浮世絵をテーマとしたワークショップやイベント、講演会などを開催するスペースです。(現在は利用・新規受付中止中)
図書室
北斎や浮世絵に関する専門書や画集などの資料をゆっくり閲覧することができます。
展望ラウンジ
4階の大きな窓から光が差し込む明るいラウンジは、スカイツリーやすみだの街並みを眺めながら寛げるスペースとなっております。
北斎といえば、代表作「冨嶽三十六景」シリーズや、人間や自然、神仏妖怪などあらゆるものを描いた『北斎漫画』を思い浮かべますが、両国橋や牛嶋神社など、北斎は生まれのすみだの風景を描いた作品も数多く残しています。
名画のみならず、北斎の作品を通して、すみだのまちや歴史についても学ぶことができます。
両国に訪れた際には、是非一度、楽しく学べる美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
掲載写真の所蔵:すみだ北斎美術館/撮影:尾鷲陽介氏
Visit Information
すみだ北斎美術館
住所 | 130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2 |
TEL | 03-6658-8936 |
開館時間 | 9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日) 年末年始(12月29日~1月1日) |
AURORA(常設展示室)観覧料
一般 | 400円 |
高校生、大学生、専門学校生、65歳以上 | 300円 |
*営業時間、休日など、最新の情報はすみだ北斎美術館ウェブサイトをご確認ください。